イタズラ電話

海外・国内文学、人文、自然科学などのジャンルを中心とした読書の感想を綴ります。光文社古典新訳文庫、平凡社ライブラリー、講談社文庫、ちくま学芸文庫などが多めです。時たま、古墳散策とタイピングについての記事も。

エッセイ

【読書・国内・エッセイ】ねにもつタイプ (ちくま文庫) 岸本 佐知子 (著)

まるで著者の性格を一言で表したかのようなタイトル(本人は文中で否定しているけど)に、日常生活で感じるよしなし事が綴られた文章。 こうした構成の本を読むと、脊髄反射的にエッセイ集の類なんだろうなぁと分類してしまう。 しかしエッセイだと決めてか…

【読書・エッセイ】やがて哀しき外国語 (講談社文庫) 村上春樹 (著)

著者には、もっと超然として必然的な選択の結果としての人生を送っている印象を持っていた。 だがこの本の中で語られた内容によると、著者はこれまで度々行く手に困難が予想される選択肢を選び取っているばかりか、作家人生のはじまりはまったくの僥倖だと考…

【読書・国内文学】もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵 椎名誠(著)

のちの昭和軽薄体の片鱗が見える表題作。 東ケト会シリーズファンにはお馴染みの“活字中毒患者”目黒さんが、武術の使い手であり(ここからもう面白い)、口論の末に著者をのしてしまうのが冒頭。その報復に、活字中毒の治療と称して著者の叔父貴の家の味噌蔵…

わしらは怪しい探険隊 (角川文庫) 椎名誠 (著)

椎名誠といえば 「アド・バード」や「水域」、「武装島田倉庫」といった SF 小説のイメージが強い方も多いかもしれないが、筆者にとっての第一の印象は「あやしい探検隊」シリーズである。 最初に読んだ椎名誠の本は「怪しい探検隊 北へ」だったと記憶してい…