村上春樹
著者には、もっと超然として必然的な選択の結果としての人生を送っている印象を持っていた。 だがこの本の中で語られた内容によると、著者はこれまで度々行く手に困難が予想される選択肢を選び取っているばかりか、作家人生のはじまりはまったくの僥倖だと考…
いろんな事情で女性に去られてしまった / 去られようとしている男たちを題材とした短編集。 風変わりな友人"木樽"とその恋人の関係を通じて、青春の孤独のほろ苦さを感じる「イエスタデイ」、妻に去られ始めたバーに訪れる、捉えどころのない神秘的な"カミタ…
ノルウェイの森の雰囲気を感じる「蛍」(あの「突撃隊」風の、同室の青年には懐かしささえ感じてしまった)、村上作品には猫より多く出ているんじゃないかと感じる『僕だけが正体を知っているサイコパス』的登場人物が印象的な「納屋を焼く」、ファンタジッ…