人文書
人間至上主義に変わる新たな宗教はデータ至上主義。 人間の特権であった意識=個人の経験が至上の価値観の源だった時代が終わり、自分以上に自分をよく知るデータフローが、あらゆる選択にベストな選択肢を提示する時代が訪れる。 個人の意志決定の価値は失…
現代で最も広く受け容れられている宗教「人間至上主義」は、如何にして誕生し、自明の理として共有されるに至ったかを探る上巻。 人類が地上で覇権を握ったのは、多くの人間が幻想を共有する共同主観的な視野を獲得したことにより、柔軟に協調できるようにな…
ロンドンのホテルで 、ボ ーイ長がアメリカ人の客にいった 。 「リフトはまもなくまいりますので 、お待ちください 」するとアメリカ人の客はいった 。 「リフト ?あ 、エレベ ータ ーのこと 。あれはね 、アメリカで発明された物なんだから 、エレベ ータ …
トルストイ、カフカ、トーマス・マン、ニーチェに称賛された、あるいは影響を与えた著者の手によるアフォリズムが織り込まれた哲学小論集。 怠惰な読書は、能動的に磨き上げた思考に劣ると述べた「自分の頭で考える」、文体の乱れが思考と品位に影響を与える…
ノーベル経済学賞受賞者が著した、人間の認知と思考の癖を紐解く一冊。 瞬時の判断を司る「速い」思考と、論理的判断を司る「遅い」思考の特徴についての記述が興味深く、 これまで漠然と感じていた、自分自身を含めた人間一般の思考の癖(手元にある情報か…
アーレントの生涯を通じて、その思索を辿る一冊。 民主主義国家が全体主義に陥る過程は、決して一度きりの悲劇ではなく、戦後の世界でも起こりうる問題であること、 個人を結びつける世界がなくなり、その関係性が「砂漠化」することが、全体主義による人々…
書記イブン・ジュバイルのメッカ巡礼記。巡礼の最中目にしたものの記述で面白かったのは、エジプトの「ピラミッド」と「老婆の城壁」に関する箇所。 ピラミッドについては、その正体を「コーランに登場する古代のアラブの部族長とその子孫の墓」と考える者が…