イタズラ電話

海外・国内文学、人文、自然科学などのジャンルを中心とした読書の感想を綴ります。光文社古典新訳文庫、平凡社ライブラリー、講談社文庫、ちくま学芸文庫などが多めです。時たま、古墳散策とタイピングについての記事も。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【読書・人文書】翻訳地獄へようこそ, 宮脇孝雄(著)

ロンドンのホテルで 、ボ ーイ長がアメリカ人の客にいった 。 「リフトはまもなくまいりますので 、お待ちください 」するとアメリカ人の客はいった 。 「リフト ?あ 、エレベ ータ ーのこと 。あれはね 、アメリカで発明された物なんだから 、エレベ ータ …

【読書・国内文学】消滅世界 (河出文庫) 村田沙耶香 (著)

「婚姻関係」と「恋愛関係」が完全に分離した世界。 そんな世界に暮らす女性「雨音」が主人公の物語である。 作中世界では、戦時中の若年男性人口の減少を受けて開発された技術により、生身の人間同士の「交尾」ではなく、人工授精による出産がマジョリティ…

【読書・海外文学】絶望 (光文社古典新訳文庫), ウラジーミル・ナボコフ, 貝澤哉

こんなにうれしいのは、だれかをペテンにかけた場合なんだな。たったいまある人物をみごとにペテンにかけたところだが、だれかって? 読者よ、鏡をよくよく覗いてみるがいいさ、なにせおまえさんは鏡に目がないときてるんだからな。 ビジネスマンのゲルマン…