【読書・国内文学】カーブの向う・ユープケッチャ (新潮文庫) 安部公房 (著)
「砂の女」の原型となった「チチンデラ ヤパナ」や、方舟さくら丸」のプロローグ的短編「ユープケッチャ」などを含む短編集。
印象的だったのは、結婚相談で出会った男が、太古の地球を再現した閉鎖空間内で子どもを養っている…という「子供部屋」と、娘との関係性を修復するために手練の老人にそそのかされて保険金詐取に手を染める男が主人公の「手段」。
前者での細かい発見として、安部作品でいわゆるお嬢様言葉を使う登場人物を見たのは初めてかもしれない(「箱男」の看護婦なんかはもうちょっとくだけてた気がする)。
【読書・人文書】暴力の人類史 上 スティーブン・ピンカー (著)
【読書・エッセイ】やがて哀しき外国語 (講談社文庫) 村上春樹 (著)
著者には、もっと超然として必然的な選択の結果としての人生を送っている印象を持っていた。 だがこの本の中で語られた内容によると、著者はこれまで度々行く手に困難が予想される選択肢を選び取っているばかりか、作家人生のはじまりはまったくの僥倖だと考えているようで、少し意外に感じた。
作品の執筆は若い頃の肉体労働の生活で身につけた身体感覚に基づいて行なっているという内容と、海外生活は不自由な外国人にすぎない自分、裸のままの自分を感じられるという内容が印象に残った。
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【読書・国内文学】女のいない男たち (文春文庫 む 5-14) 村上 春樹 (著)
【読書・ビジネス書】鬼速PDCA 冨田和成 (著)
【読書・ビジネス書】なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である 中島聡 (著)
時間内に仕事が終わらない理由を指摘し、改善策として2割の時間に全力疾走で8割の仕事を終わらせる(ロケットスタート)+ 8割の時間で流しつつ質を高める(スラック=余裕、たるみ)という方法を提案している。
本書では「期限を守ること」を最重要に考えており、〆切直前のラストスパートの悪弊には枚挙に暇がない。さらには安請け合い、見積もりの甘さ、〆切直前の精神的圧迫感による生産性の低下など、学生視点でも頷ける事柄ばかりだ。
自分の体験と照らし合わせても納得の内容で、これまでの研究姿勢を振り返り、身につまされる思いで読みきった。
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である
- 作者: 中島聡
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2016/06/08
- メディア: Kindle版
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