ホモ・デウス 下:テクノロジーとサピエンスの未来 ユヴァル・ノア・ハラリ(著)
人間至上主義に変わる新たな宗教はデータ至上主義。
人間の特権であった意識=個人の経験が至上の価値観の源だった時代が終わり、自分以上に自分をよく知るデータフローが、あらゆる選択にベストな選択肢を提示する時代が訪れる。
個人の意志決定の価値は失われ、投票と合意に基づいた自由主義も死を迎える。エリート層は経済的価値を失ったその他大勢の人間を見捨てて能力的にアップグレードされた超人へと変化する可能性がある。
特にAIの発達による知能と意識の分離という論点が斬新。絶対的な価値観が揺るがされる感覚が心地よい読書体験だった。