イタズラ電話

海外・国内文学、人文、自然科学などのジャンルを中心とした読書の感想を綴ります。光文社古典新訳文庫、平凡社ライブラリー、講談社文庫、ちくま学芸文庫などが多めです。時たま、古墳散策とタイピングについての記事も。

【読書・人文書】暴力の人類史 上 スティーブン・ピンカー (著)

気鋭の心理学教授が「暴力」の側面から概観した人類史を扱う一冊。著者の主張は大きく分けて以下の二点。

・その歴史を通じて、人類全体であらゆる種類の暴力(個人間も、集団間も)は減少してきている。

・また、テロや紛争による被害の実態は、現代の悲観的な予想とは反してきわめて小さく、むしろ正確な現状理解が得られていない点が問題である。

こうした誤解が蔓延する理由としては、カーネマン「ファスト&スロー」でも扱われる認知バイアスヒューリスティクスについて言及している。下巻にも期待。

 

暴力の人類史 上

暴力の人類史 上