読書
消えゆく命と生まれつつある命の間でもがく作家・柳美里の葛藤が綴られた一冊。 特に印象的だったのは、かつての恋人であり、精神の支えでもある東由多加氏による、痛々しいまでのサポートだ。 命 (新潮文庫) 作者: 柳美里 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: …
推理小説というジャンルを確立したとも言える古典作品で、「シャーロック・ホームズ」シリーズの第一作にあたるようだ。 ホームズの言行録は半分程度で、残り半分は解決編にあたる第二部に当てられている。第二部は一見すると冒険活劇のようなテイストで急展…
まだ藤澤清造作品も秋恵の存在も知らない頃の、痛々しくも切ない、貫多・青春編。 17歳にして、小心者でありながら根っからのスタイリストな人格は完成済み(?)。 貫多ものの作品では毎度のことながら、貫多と周囲の人々の、危うい感情のキャッチボール…
ノルウェイの森の雰囲気を感じる「蛍」(あの「突撃隊」風の、同室の青年には懐かしささえ感じてしまった)、村上作品には猫より多く出ているんじゃないかと感じる『僕だけが正体を知っているサイコパス』的登場人物が印象的な「納屋を焼く」、ファンタジッ…
椎名誠といえば 「アド・バード」や「水域」、「武装島田倉庫」といった SF 小説のイメージが強い方も多いかもしれないが、筆者にとっての第一の印象は「あやしい探検隊」シリーズである。 最初に読んだ椎名誠の本は「怪しい探検隊 北へ」だったと記憶してい…
タイトルを今流行りのテレビ番組っぽく言うと「ボーッと生きてんじゃねーよ!」だろうか。 筆者の想定している「意識の量が少ない人」というのは気が利かない人、自分の頭で考えない人、相手が求めるものがわかっていない人などを指すらしい。 また、筆者が…